『スキャンダルの館』展開妄想その1






「キャアアアアアーッ!!」



 紫穂の叫び声を聞き、現場にやって来た面々が見たのは…血まみれで倒れている紫穂であった。



「…くっ…誰がこんなひどいことを…」

「一体何が…」

「…これは…ナイフ…?」

「………まさか何者かが紫穂を…?」

「一体誰が!?
 この別荘には私たち以外には…まさかこの中の誰かが…」



浮かぶ疑惑!!



「言い争ってても仕方ないわ、今日はもう寝ましょう。
 メイドさん、紫穂ちゃんの看病よろしくね」

「はい奥(スパァン!)…お嬢さま!!」



しばかれるMなメイド!!



「た、大変ですお嬢さま!」

「どうしたのよ…」

「い、犬神さまと宿木さまが…!」

「なんですって!!」



「…あなたが2人を起こしに来たら、こうなってたってことね?」

「はい…」

「…2人とも衰弱しきっていて意識不明…か…。
 …2つのベッドのうち1つは綺麗なまま…。
 …2人が寝ていたベッドだけが乱れている…。
 …若いって良いわね」

「は?」

「なんでもないわ」



次々と再起不能になる人物たち!!



「きょ、局長まで!!」

「…鈍器のような物で1発…か…。
 あなたはさっきまで一緒に飲んでたそうだけど…何か気付かなかった?」

「いへぇ〜?ひゃにもきふかにゃかったでしゅよ〜?」

「そう…」

「…柏木さん…持ってるドンペリの瓶に血が…」



「…全ての骨が粉砕されてるわね…。
 …そう言えばこの人の名前何だっけ?」

「谷崎主任です…。
 …真冬に部屋の中でトランクス1枚って…一体何してたんだこの人…」

「第一発見者はナオミちゃんか…来た時からこうだったの?」

「えぇ…」

「そう…。
 …ま、いいんじゃない?この人なら」

「それもそうですね」



「…今度は賢木か…」

「…見事に枯れてるわね…何があったのかしら」

「…ってかやけにツヤツヤしてますね管理官」



そして…



「賢木で6人目か…。
 これで僕以外の男は全滅か…。
 誰も死んではいないけど、まともに動けるのは僕だけだからみんなを守らないと…。



 待てよ…?



 『男』は僕1人だけ…?」



 ふと、そんな事実に気付いた皆本…。
 そして、背中に大量の視線を感じた…。



…ギ…ギギギギギギ…



 皆本が、視線を感じるほうへ首を軋ませながら向けると…



「「「「「「「これで、邪魔者は居ないわね…?」」」」」」」



「ひぃぃぃぃぃ!?」



 何故か紫穂を含めた7人が、獣の眼をしながら皆本を睨みつけていた…。



 次の日、衰弱しきった皆本が救助されるのであった…。



(終われ)



初出:GTY+
2007年 1月19日

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