「古今東西…スタンプカードには主婦(夫)の幸せが詰まっている…」

 そう呟きながら様々な店舗のスタンプカードを取り出す明。

「満タンになると、商品券と引き換えてくれる店もあるしな」

「おっ買い物、おっ買い物〜♪」

 1枚のスタンプカードを握り締め、店内に入っていく明。
 初音は鼻歌を歌いつつ、その後ろに着いて行った。



「…来たな…!」

 キュピィン…!と、目を光らせてハチマキを巻いた男…もとい漢が現れた。
 付けているサンバイザーには、『店長』と書かれている。

「この街に存在するヨー○ドーとジャ○コの両方で、
 お買い得食品をあらかた買い占めていくと言う、伝説の少年A!!」

 ぐいっ…と、何故か出ている口元の血を拭いつつ漢が続ける。


「伝説の少年Aシフトだぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


「「「応っ!!!」」」


 漢の叫びに3人の店員が答える。


「いぃらっしゃいませぇぇぇぇぇぇ!!」


 青い長髪の漢が叫ぶ。


「『オー○ービーフお徳用パック』入荷しましたぁぁぁぁぁ!!!」


 きりもみ回転で移動しつつ叫ぶメガネの漢。


「『業務用』、『家庭用』、完備ですっ♪」


 緑色の髪を2つに分けた女性が回りつつ薦める。


「その他食材も!続々入荷ですよぉぉぉぉ!!!」


 右手を握り締めて宣伝する、青い長髪の漢。


「そうだ…とにかく一つでも多くの入荷済みの食品を告知するんだ…彼ならあるだけ買ってくれる…」

 炎を背負いながら『店長』が呟く。



「…あ、今日はお中元のそうめん100束処理するんだった…めんつゆ買わなきゃ」

 思い出した風に明が言う。



「だ…ダメじゃんっっっっ!!」

 店長の叫びとともに、吹き飛んでいく4人であった…。



(終われ)


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