「…さて、これで今度の臨海学校の説明は終わりです。
皆さん、何か質問はありますか?」
黒板の前に立つ女性教師が、生徒たちに向かって言った。
「せんせ〜、バナナはおやつに入りますか〜?」
ドッ!
お調子者の生徒のお約束な質問に、ほかの生徒が湧いた。
「入りません、持ってきてもいいですがごみは持ち帰るように」
想定していたのか、あっさりと答えを返す女性教師。
「先生」
次に手を上げたのは、普段から特定の人物以外と滅多に会話をしない生徒であった。
「はい?なんでしょう?」
珍しいこともあるものね、と思いながら女性教師は言う。
「『明』はおやつに入りますか?」
「え、え〜っと…」
想定外の質問に、女性教師は言葉を詰まらせるのであった…。
(終われ)
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