私は待っている…。
 彼がやってくるのを待っている…。



 私はしがない小学校教諭…。
 私は先ほど、自分の受け持つクラスの男子生徒を呼び出した。



 自分の思いを伝えるために…。



 彼が困惑するのはわかっている。
 しかし私は本気なのだ。
 ちゃんと将来のことを考えた結果、彼に話すことを決めたのだ…。



コンコン…



 小さくノックの音がして、彼が入って来る。
 呼ばれたことに若干の不安を持った顔で、私の前までやって来た。
 私は手に汗をかきながら口を開いた…。



「ねぇ宿木くん…。






 明日、犬神さんと一緒に『女子だけのお勉強会』に参加しない?
 あなたたちの将来のことを思って言ってるの…!」



(終われ)


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