「最近出番無いよなぁ…」

「そうね…」

 学校からの帰り道、明と初音はそう呟きながら歩いていた。



「やぁキミ達」



 そこへ白髪、ガクランの少年が声をかけて来た。

「あんた…兵部…」

「…白昼堂々…」

 突然現れた敵のボスを目にし、身構える2人。

「待った待った、今日はキミ達をスカウトしに来たんだよ」

 2人を落ち着かせるように言う兵部。

「すかうとぉ?」

「そう、スカウト。
 今は少しでも戦力が欲しいからねぇ」

「…あんた、そんなのに俺らが乗ると思ってるのか」

 不機嫌そうに明が言う。

「うちの待遇はいいよぉ?
 食費は全部持つし、最高級食材も用意するよ」

「うっ…ちょっと心惹かれるか…」

「キミはどうだい?『プリンセス・オブ・ビースト』?」

 初音にも聞く兵部。

「…私のこと?」

「…直訳すると『もの○け姫』か…古いな…」

「…明はなんなの?」

 明のネーミングが気になったのか、兵部に問う初音。

「え〜っと…



『クッキ○グ・パパ』」



「初音、喰え」

「うん(がぶぅ)」

「痛い痛い痛い…」

 右腕に初音をぶら下げつつ、わざとらしく言う兵部であった。



(了)


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