私は知っていた。
 ずっと…、ずっと前から知っていた。



 そして、ずっと待っていた。
 言葉にするタイミングを待っていた。



 一番効果的に…、
 一番あなたの心に響くタイミングを待っていた。






 いつものように、おちゃらけて女性に声をかけているあなた。
 今しかない、私は決意した。






「…賢木先生…






 チャック開いてるわよ?」



(終われ)


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