夜中目が覚めると、初音が隣に寝ていた…ってことは結構ある。
 でも…


「明…スキ…」


 こんな言葉を聞いたのは、寝言であっても初めてだった…。
 不覚にもドキッとしてしまった…。


「……ヤキ食べたい…むにゃむにゃ…」


 …この野郎…。
 決めた、明日のメニューは野菜中心だ。




「…明…スキ…」


 数分後、またも同じ寝言を言っていた。
 どうせまた同じだろうと思っていたが…



 10分経っても、先は続かなかった。






「ふあぁ〜…おはよう、明」

「おう……」

「?
 どうしたの?目の下に『クマ』出来てるよ?」

「…なんでもねぇ、ちょっと眠れなかっただけだ」



(了)


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